2013年12月15日日曜日

ピクルス通信no.235 『完全なるチェス』

『もし、「ボビー・フィッシャーはどんな人?」と聞かれたら、「チェスの世界のモーツァルト」と私は答えます。モーツァルトとの共通点は3つあります。

1 誰もが認める“天才”であること

2 その天才性を簡単に知ることが出来ること(音楽を深く勉強しなくてもモーツァルトの素晴らしさを理解できるように、フィッシャーのチェスもルールが解ればその力強い指しまわしに魅了されるはずです)

3 それとは別の部分に大きなギャップがあること

 モーツァルトが残した様々な手紙の内容は、お世辞にも上品とは言えません。あの音楽を作った人が何故、このような事を書くのか。フィッシャーも同様で、あの極めて芸術性の高いチェスを指す人が何故、非常識な偏った信条を持つのか。』

読後、棋士・羽生善治による解説に大きく頷くことになりました、『完全なるチェス』(文藝春秋)。

チェスのルールを知らなくとも、フィッシャーの空前絶後の強さに感嘆し続けることができる本です。

奇行の数々、偏狭な発言、破綻していく生活がこちらがどきまぐするほど露にされています。

我々と近しい時代に生きたあるひとりの天才の評伝として。


帯の一文が見事。

「輝き、そして壊れる」



私が今年もっともお世話になったモーツァルトはヴァイオリン協奏曲第3番第2楽章アダージョ。

   

モーツァルト、19歳の作品。


若竹純司(遠方客)

0 件のコメント:

コメントを投稿