2013年10月27日日曜日

ピクルス通信no.229  タクシー・エレジー


「雨、やみましたねえ」

「そうですね、やみましたね」

差し障りのない天気の話題から始めることが多い。

終電おわりの仕事あがり、一遇を得たタクシーの運転手さんとは。

私は「おつかれちゃ〜ん」モード、ごっそり鎧を脱いでいるためか口元も緩んでいる。

運転手さんも、まぁ、こっちの具合を察知して口元を緩ませる。

車内は心なしか弛緩した空気。



私「“具志堅”のお苗字の方、実際お会いするのは初めてです」

運「沖縄ではポピュラーな苗字ですよ」

なにかしらひとつ授けてくれるものである。

私「タクシーの運転手さんて穴場の美味しい店よくご存知なんでしょうね」

運「コンビニが多いですねえ」

期待を見事に肩すかしてくれたりもする。



毎回話の道筋は違っても、どういうわけか到着地は毎回同じである。

「楽な仕事なんて無いんでしょうね」

「お互い頑張りましょうや」

励ましあって会計を迎える。



日本交通が自社の認知を広める目的で《恋するフォーチュンクッキー》を踊っている。

もとより都内で最もタクシー保有台数の多い会社は日本交通らしいのだが。


《歌詞の一部》
恋するフォーチュンクッキー!
その殻 さぁ壊してみよう 
Hey! Hey!Hey!
先の展開 神様も知らない
涙のフォーチュンクッキー!
そんなにネガティブにならず
Hey! Hey!Hey!
Hey! Hey!Hey!
世界は愛で溢れているよ
悲しい出来事忘れさせる
明日は明日の風が吹くと思う

「Hey 」を連呼しているが、実際のところ現代日本において「Hey」が使われるのはタクシーを呼び止める時だけではあるまいか。

「ヘイ・タクシー!」

しかし「ハイ・タクシー!」派もいるだろう。

しかし声を出さない派が大半を占めるだろう。

私は口パク派。

若竹純司(遠方客)

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