2012年5月20日日曜日

ピクルス通信no.154 夜の七つ

古来、遠足に赴く小学生を悩ませてきた問い。

「バナナはおやつに入るのか」

◯ もちろん入る。君はバナナが与える黄金の甘味に喜ぶであろう。その喜びを仔細に分析すれば、おやつ以外のものからはもたらし得ない性質であることを知るはずだ。何よりも、君がこの問いを発した際、バナナをおやつから剥がそうとする(おやつ代上限300円をごまかそうとする)魂胆が透けてみえる。「剥がそう」とする限り、その前提として君はバナナがおやつに属していることを認めねばならない。

× 断るまでもなく、入らない。 おやつではなくデザートだ。おやつの語源は、15時頃を意味する「八つ時」に間食をとること、即ち「御八つ」であることは君も知っているね?バナナを昼食後すぐに食べたまえ。12時半〜13時頃になるんじゃないか。その時のバナナは果たして「御八つ」と呼べるかな。



決着のつかぬ問い、恒久のグレーゾーンは厳然と存在する。

そしてまた一つ、ここ何ヶ月も私を苦悩させた問い。

「夜想曲(ノクターン)はいつから聴いてよいのか」

夜、と冠せられるからには、日没を待って聴かねばならないのだろうか。

いつから。何時から。



16時15分。

それが世界最高峰のピアニストのひとり、イーヴォ・ポゴレリチの回答だった。

先日開かれたソロリサイタルにおいて、ショパンのノクターン ハ短調が演奏され始めたのが、その時刻。

もちろん日は暮れていない。夜じゃない。だからどうした。

些細な事に管を巻いてる場合ではない。

聴いているこちらの呼吸を止めるほどの、緊張感、迫力、ダイナミクス。

独特のスローテンポに筆を費やさねばならないのは分かっている。

しかし、それ以上に音色の多彩に衝撃を受けた。

弾いているのがただ一台のピアノとは思えないほど、一曲の中に様々な音色を感じさせる技巧。

嘆息。

29歳以下は2Fバルコニー席を半額で購入できるサービス「Jシート」。5500円は決して高くはなかった。

5月13日 しらかわホール

若竹純司

2 件のコメント:

  1. 私の感覚としてはバナナはおやつではないですね。
    半額のバルコニー席って、いいですね。
    ジャズのライブも割引があるといいのに。。
    (ボクはシルバー割引まで待つしかないかな、、)
    kubota_toyoaki

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  2. 久保田豊秋さん

    コメントありがとうございます。

    ええ、バナナはもっとも主食に迫る勢いのフルーツですものね。
    朝に食べるとけっこう「もち」ます。

    ジャズの割引は滅多にないですものね。
    高崎のジャズフェスのように無料でレベルの高いフェスもありますが。
    もっとも適正な対価を払うのも大切なんですよね。

    若竹

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