2012年2月5日日曜日

ピクルス通信no.139 キミへの爆弾

『檸檬』の在庫問い合わせがあった(改めて言いますが私はMusicFirstのスタッフではなく一介の書店員です)。

昭和の一桁に夭逝した梶井基次郎の代表作である『檸檬』は、「丸善の書棚に爆弾に見立てたレモンを置き去りし、それが爆発する様を妄想して興奮する」話として知られている。

モデルとなった京都の丸善には、小説を真似てレモンが書棚に仕掛けられるお茶目が後を経たなかったらしい。が、2005年に閉店。今やカラオケ屋。

レモンを購入した果物屋のモデルは「八百卯」。こちらも2009年に閉店したと今知った。

私の学生時分には「八百卯」の窓ガラスに貼られた「『檸檬』のレモン買えます」といった張り紙(極めてうる覚え)を頻繁に目にしていた。頻繁に、というのは「八百卯」があった寺町二条近辺、いわゆる「御所南」には何をするでもなしに日参していたゆえ。古道具屋にインテリアショップ、レコード屋ときて渋い書店、それに小気味いいカフェなどが点在していた。



ここナゴヤでもキミリアーノだったら「御所南」の話題に喰いついてくれるだろうと信ずる。

彼のブログには日帰りでぴゅっと京都へ足を運ぶ形跡がままあるし、インテリア、器を語らせたら止まらないのがこの人であるし。



先日、キミーのご自宅、ご自身で呼ぶところの「ファクトリー」に初訪問し(その模様)、インテリアの名品やヴィンテージの器を拝見してきた。嫉妬をする暇がないほどの豊かさ(物心共々)で、時に驚喜し時に唖然とし、声を荒げ痛めた喉をジンジャエール辛口でさらに灼きつけた。瓶のウィルキンソンが常備。


Gustavsberg社 Stig Lindberg “Bersa”
ノリタケ社 Frank Lloyd Wright
Arabia社 Birger Kaipiainen  “Parastiisi” 等
堂島ロール&クスミティ
 


ギャッベを愛でる人


グラーデーション的にグー


壁一角に堂々と構えるCDラックがあることは事前にリサーチ済みだった。

置き土産として一枚のCDを棚へ仕掛けさせてもらった。

In Parole Povere
Joe Barbieri : In Parole Povere

イタリア好きの彼だから「伊のカエターノ・ヴェローゾ」と呼ばれるシンガーソングライターによるオーガニックなサウンドを。

キミーが気を抜いて聴いていられるのも今のうち。

いづれ爆発するとも知らずに。

なんて。


若竹純司

2 件のコメント:

  1. 寺町通というと京都市役所の横、
    中古レコード・CDのハードバップ、ホットラインは何回か行ったことがあります。
    カフェは全然知らないんですが、本能寺の方のスマート珈琲なら。。。
    「御所南」のエリアはあまり存じ上げませんが、イイ店が色々とありそうですね!
    また教えてください。
    kubota_toyoaki

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  2. 久保田さん

    反映が遅れて失礼しました。

    はい、文中のレコード店はその2件です^^前者の高価格感、後者のごちゃごちゃ感は見物ですよね。

    カフェだとブックカフェでもある「Hello」
    http://r.tabelog.com/kyoto/A2602/A260202/26000120/
    喫茶室のある「一保堂茶舗」
    http://www.ippodo-tea.co.jp/
    が好きです!実はスマート珈琲は一度しか行ったことがなくて。近くの「六曜社」に浸りきってましたので。近くの「WORKSHOP records」「ブーチーズ・レコード」はご存知でしょうか。



    10月に頂いたコメントにも返信させてください。

    「昔、試聴も何もできなかった頃は、「3枚に1枚当たればいいや」という割切りを持って買っていましたよ」

    やはりそうしたリスクをとっての経験の積み重ねが良盤を嗅ぎわけるセンスを高めてくれるんでしょうね!

    若竹

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