2011年10月23日日曜日

ピクルス通信no.124 隣にも恋

松竹芸能所属のTKOがキングオブコント2011年大会においてファーストステージを終え7位という劣勢の位置から挽回せしめんとセカンドステージで披露したネタは、息子を裏口入学させたい男親(木本)が大学教授(木下)に風呂敷で包まれた500万円を賄賂として渡すところから幕をあける。

「君とは仲良くやっていけそうだよ」と懐に包みを入れる教授。

これで息子も晴れて大学生に。感謝の言葉を伝え深々と頭を下げる男親に教授は答える。

「無理だ」

「えっ、、、、いま懐にお金入れましたよね。大学入れますよね」

「無理だ。だがしかし、この500万はいただこう」

ここから入れろ入れないの押し問答、金返せ返さないの押し問答。

教授は男親に対し逆切れし、罵声を浴びせる。

「人に甘えずコツコツ頑張って働け!」

「帰れ!このハイエナものが!」

埒が明かぬ段になって男親は不敵に笑い出す。

そして教授に言う、包みを開けてみろ。

中からは新聞紙で作られた札束がはらりはらり。

一切の会話は録音されていた。世間に公表するという。

男は教授の悪事を暴こうと臨んでいたのだ。

形勢逆転。

「やられたな、、、、」観念した教授は胸の内を明かし始める。

私は働くのが嫌いだ。毎日夕方まで寝ていたい。だがお金は大好きだ。だから最初500万見た時嬉しかったぁ。なぜ500万が欲しかったかって?
ポーランドに行きたかったんだよ、、、、ハワイやイタリア、オーストラリアこういった有名なところは自分のお金で行っても外れはないがポーランドは外れるかもしれないからな!自分のお金では恐かったんだよ、、、、隣のドイツに行けばビールやウィンナーがある楽しいのはわかってる、だがしかしポーランドには何があるってんだ!、、、、、自分のお金では嫌だったんだよ、、、」


ロ・ヌエボ・デ・チャブーカ・グランダ-未発表音源集
チャブーカ・グランダ-未発表音源集

CDにしろLPにしろ、中古の安い盤を買うのがもっぱらである私にとって、新譜を買うのには勇気がいる。金銭的に、ちょっと。

しかし目の当たりにすれば欲しくなるのもまた人情。

久しぶりにワールドミュージックの新譜コーナーを物色していると、香り高いセピア色のジャケットに指が止まった。

「中南米の偉大な女性作曲家が遺した知られざる録音集」とある。

どこの人?

ペルー

ぺ、ペルー、、、、?

それまで自分が聴いて来たジャンルや国の音楽だったら「外れ」るとしても想定内の「外れ」である。しかしそれまで聴いたことのないジャンルや国の音楽は「外れ」具合の見当もつかない。よって尻込む。2千円〜3千円を出すのは恐いのだよ。

うーむ、ペルーか。隣のブラジルにはサンバがあるボサノヴァがあるショーロがあるMPBがある、気に入るのはわかってる、だがしかしペルーには何があるってんだ!


あっ「コンドルは飛んでいく」があるな。


ジャンルでいうところのフォルクローレがある。

じゃあ外れたとしても、たかが知れている。



こうしてリスクをとって掴んだ一枚は燦然たる宝物になりそうだ。

チャブーカ・グランダ(1920~1983)が作曲し歌うのは、クリオージョ音楽(ヨーロッパから新大陸に渡った白人と土着のインディアンや混血の人々が生み出した)のなかでもバルス・ペルアーノと呼ばれる三拍子の音楽(バルスはスペイン語でワルツの意)。

チャブーカの名前はカエターノ・ヴェローゾがカバーした「フィーナ・エスタンパ(粋な男)」の作曲者としてご存知の方もあるかもしれない。

この一枚はプライベートな雰囲気で録音された1968年の作品で、伴奏はギターとカホンだけといたって簡素。この雰囲気はボサノヴァ愛聴者の心に必ずや訴えるものがあるはず(思いあたるのはギターとハイハットドラムだけを伴奏にしたジョアン・ジルベルトの『三月の水』)。

メロディは洗練されたフォルクローレと言ってもよいが、土の匂いとともに深い精神性も感じられる。

チャブーカの歌声はやや枯れ気味でそれでいて優美、そして芯の強さ。

  

ペルーには唾をつけた。

じゃあ隣接するコロンビアには?エクアドルには?ボリビアには?チリには?

待ってろよ、南米。


若竹ジバラ

5 件のコメント:

  1. チョイバカオヤジで〜す。
    コロンビア、エクアドル、ボリビア、チリと尽くしで来られると、人に言わせるとどうも左の方へ傾いている小生としては、もう一つの9.11を忘れられないですね。それはそうとモンテシノスはどうなったんだろう?てなことでベタですがヴィクトル・ハラでも聴くとしますか…

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  2. 思い切って買ったレコード・CDがアタリというのは嬉しいものですね!
    昔、試聴も何もできなかった頃は、「3枚に1枚当たればいいや」という割切りを持って買っていましたよ。
    今では店頭試聴に行かなくても、youtubeがありますし、便利ですよね。
    kubota_toyoaki

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  3. GTさん

    恥ずかしながら、「もう一つの9.11」の事件のことは知りませんでした。
    恥ずかしいことに。

    ヴィクトル・ハラ、染みます。。。ヌエバ・カンシオン。。。

    若竹

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  4. T.B.Oです。
    映画「サンチャゴに雨が降る」の音楽はピアソラでしたね・・・

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  5. チョイバ、、、、さんですよね(笑)

    ピアソラ映画音楽やってましたか!

    若竹

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